災害支援
2020年7月豪雨 災害支援レポート第1報
7月4日未明から続く雨の影響で各地の河川が氾濫し、九州をはじめ各地に甚大な被害が出ています。
この度の豪雨により被害に遭われ、お亡くなりになった方々に心よりご冥福をお祈りいたします。
大吉財団は通常であればすぐに支援に駆け付けるところなのですが、コロナ禍での災害で県外ボランティアの受け入れが禁止となっているため、連携団体から情報を頂きつつ、ニュースやSNS等で情報収集を行っておりました。
しかし、「被災地はコロナどころではない方もたくさんいる」「家屋の浸水被害はすぐに対応しないと取り返しがつかなくなる」という考えから、最大限の感染予防対策をした上で災害支援に行くこととしました。
当初は7月12日~15日の期間で被災地支援を行う予定でしたが、梅雨前線の停滞により警報級の雨予報がでていたため急遽予定を変更し、13日~15日に大吉財団の防災士2名で現地調査を行いました。
- 被災地はどんな状況か、何が求められているか
- コロナ禍の状況でも手助けを求める声があるか
- 被災地でボランティアメンバーが安全に作業できるか
- どの場所で活動すれば最も効率的か
- 被災地の県外ボランティアに対するまなざしはどうか
など複数の項目で調査を行い、大分県や熊本県の被災地を災害支援キャンピングカーで回りました。
球磨村は河川の氾濫による浸水被害だけでなく、山からの土砂による被害も甚大で、道が崩落しているところもあれば土砂で埋まっているところもあり、多くの場所が通行不可となっていました。道路は災害復旧において非常に重要なインフラなのですが、復旧には長い時間がかかると感じました。
調査と並行して民家を回りニーズヒアリングも行いました。雨の中、自宅の片づけをしている方に声をかけていくと「こんな状況じゃコロナなんて言ってられない。助けてほしい」と言う方が数人おられました。しかし一方で「本当に信頼できる団体なのか?」と思った方が役場に確認を取る、ということもありました。毎年被災地支援を行っていますが、このようなことは初めてです。球磨村ではこの時ちょうど「被災地での詐欺や盗難に注意してください」という注意喚起がされており、そのため住人の方も過敏に反応していたのだと思います。
被災地の被害は甚大であり、支援の手は間違いなく必要です。それを求めている人もたくさんいます。それなのに、コロナや犯罪という悲しい理由で「助けて」と言えなくなっている状況に、強い憤りを感じます。人が人を助けることはあたりまえのこと。一刻も早く被災地が復旧できるよう、私たちはできる限りのことをしていきたいと考えています。
大吉財団は18日~21日にかけて、10名~20名のボランティアメンバーを連れて熊本の被災地支援を行う予定です。メンバーは全員キットによるCOVID-19の自主検査を行い、毎日の検温、マスクの着用、手洗いの徹底など新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めたうえで被災地縁活動を行います。ボランティアメンバーは普段から子ども支援などで一緒に活動している顔の見えるメンバーばかりです。被災地でこのキャンピングカーと大吉財団のロゴを見かけた際は、安心して「手伝って」とお声掛けいただけますと幸いです。